2016年6月、僕は彼を譲り受けた。
吾輩は猫である、名前はまだない状態だった彼は、この世に生を受けて1か月ほどであった。
僕は、彼の名前を『こてつ』と定めた。

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彼は望まれない命だった。
いや、そもそも猫の社会は人間界のように命を尊んだり、はたまた蔑んだりするという価値観は存在していないのであろうが、それでも彼の誕生を祝ったのは、おそらく母猫くらいのものだろうと思った。

決して 捨て猫というわけではなかった。
しかし、彼は兄弟とともに里親探しの1ページとして写真を掲載されていた。

僕の甲斐性では1匹が限界だった。
『こてつ』という名前に特別な意味はない。しかし名刀『虎鉄』を思わせる眼光の鋭さが印象的な初めての夜であった。