吾輩は猫である。名前はまだない状態だった彼は、幸運にも『こてつ』という立派な名を得ることができた。
生まれてまもなく、僕に拾われたからである。
猫も人間も、眠ることに快感を覚える生き物のようで、1日の半分はお気に入りのソファーで夢心地のこてつである。

4

彼は我が家のカースト制を理解していないようで、自分が上位の地位にいる存在だと勘違いしている。鳴けば飯が出てくるものだと思っているし、眠るときはいくら邪魔になろうが人間の隣と決めているらしい。

これは由々しき事態である。
このまま育ってしまったら、成獣になったころには自分がこの家の王様だと勘違いしかねない。
その時は、無理やりにでも風呂に沈めて身も心も綺麗になってもらおうと思う。
そしたら、王族から出家した神父のような、一段と清らかで厳かな風格をまとうに違いない。