さて、僕は旅を愛している。
今回は旅の尊さ素晴らしさを存分に語ろうと思う。


image (97)

おっと、その前に、一つ。否定的な愚痴を言わせてほしい。
「自分探しの旅」という名目で旅行する人がいるが、そういう格式の高い方々はその旅路でちゃんと『自分』を探し当てることができているのだろうか。
 
僕はこれまでの人生で何度も旅をしてきたが、旅先で自分を見つけ出したことなど一度もなく、むしろ日常の自分を忘れ、自我を形成するまどろっこしい何やかんやから距離を置くことを旅の目的にしてきたといっても過言ではない。
どちらかといえば、『自分探し』とは対極の『自分忘れ』を娯楽的に楽しむのが旅だと考える。

旅先の、そう、自分が暮らしている街から遠く離れた田舎や都会にも僕らと同じような人間が等しく暮らしていて、しかし自分を知っている人間は誰もおらず、自分とは無関係の時間が流れている。
旅先に期待することとは、そういう日常から乖離した贅沢な孤立感ではないかと考える。

だから、自分探しの旅に出ても自分を見つけることなどできないのではないだろうか。
自分を『見つめる』ことはできたとしても。
しかし、旅路の中で自分を見つめる暇があったら、僕は僕の知らない街を眺めていたいが。